フリーランス言語聴覚士はしっ子の、こだわらない話

~北のマチのフリーランス言語聴覚士の医療教育系ブログ~このブログを本にしたい

やりたいことと、そうではないこと。

【第101回】

やりたいことと、そうではないこと。


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ありがとうございます。




「やりたいことを仕事にする」




何年か前からこの言葉があちこちで飛び交い、
聞かれるようになりました。




「やりたいことを仕事にする」



私はあまりこの言葉、しっくりきません。




やりたいことを仕事にすることで、

モチベーションを維持できたり
良いことはたくさんあるでしょう。




ですが、
自分の「やりたいこと」である以前に、


「人」に、「社会」に、
必要とされていることなのか、




が、何より大切なことです。



必要としている人がいて、
喜ばれることであれば


それは自動的に「仕事」になります。




「やりたいこと」が先行しすぎていて、
市場を無視してしまっている人は結構います。


だから、「やりたいこと」を
仕事しなければならない、に縛られる必要はないのだと思います。






そもそも仕事とは、


「やりたいこと」と「やりたくないこと」の
2つに分けられるものではない





「やりたいこと」ではないけれど、
好きな仕事の場合もあるし、


「やりたいこと」ではないけれど、
嫌いな仕事じゃない場合もあるし、


「やりたいこと」ではないけれど、
どちらかというと得意な仕事という場合もあります。




そもそもが

やりたいか、やりたくないかの二元論で
どちらかに線引きできるものではないんですよね。




「やりたいこと」を仕事にすることが良しとされる、


でも、そこには
善か悪かのような極端な二元論しかない。


それはちょっと無理がある。


最近の風潮を
変に意識しなくても良いのだと思います。





最近、言語聴覚士さん限定アンケート調査

こんなおもしろい視点の企画がありました。





言語聴覚士限定】
売り手市場のSTは好きな仕事をやれているのかアンケート

1post.jp






私もアンケートを回答したのですが、


この結果はなかなかおもしろい、
考えさせられるものでした。



と同時に、

これから目指そうとする人や

今、目指している学生さんが見たら
どのように感じるか、

ちょっと心配になりました。





アンケート結果からは、

「やりたいことをやらせてもらっていない」と感じている人が
多い結果となりましたが、




「やりたい仕事」ではなくても、

そこではとても必要な仕事で、
求められていることであることも多いものです。



私たち言語聴覚士のお仕事だと、
「嚥下障害の治療」が当てはまります。




言語聴覚士のお仕事分野の中でも、
超高齢社会の今、ものすごい勢いでそのニーズは高まっています。



でも、本来、小児分野であったり
聴覚分野が志望で言語聴覚士になった人にとっては、


就職先が限られ、思った場所に就職できず
働いた先では自分の本来志望していたお仕事と違う、

そんなことが起こっています。





問題は、どう折り合いをつけられるか。




自分の職業において、
世の中に求められていることは大切な仕事。


自分の職業において、
今は出来ていないけど「やりたいと思っている」ことは、


対象者が少なく、マイノリティであるけれど、
その対象の世界ではとても大切な仕事です。



世の中には、
最初はお仕事にならなかったけど、

続けていくうちに仕事になっていったというケースがあります。




本当にやりたいことで、たとえニッチな世界でも
それを求めている人がいるならば


初めはボランティアでもなんでも

とにかく向き合える場所を設けることが
大切です。




そこからボランティアだったものが
気づけば本業になっていく、

進みたい分野につながっていく



そんなことも多いものです。




この方が「やりたいこと」が出来ない、
で悩んでいるより、よっぽど不毛な時間を過ごさなくて済みます。






また、私はフリーランス言語聴覚士として
活動していますが、



フリーランスの立場になって約4年、

これまでフリーランスで働きたい、
全国のたくさんのSTの方から相談を受けました。



私は、フリーランスの立場にならなければ
出来ないことがあったから、フリーランスになることを選びました。



要は、やりたいことのために
フリーランスになるしかなかったから。




目標と、目的が明確であったため、

フリーランスになってから色んなことがあっても、

フリーランスになって良かったと、満足しています。



でも、これは私の場合。




当たりまえだけど、たくさんの価値観がある。



はっきり言います。



フリーランスにならなければ出来ない、
やりたいことが決まっているならばフリーランスになってもいいと思います。




でも、フリーランスとは、
文字通り「一人になること」



それは想像以上に過酷で孤独なものです。



その立場になって初めて
組織で守ってもらっていたことのありがたさを
痛切に感じます。



フリーランスの立場ではなくても出来そうなこと
であるならば、それは無理にフリーランスになるべきではありません。



目標と目的がしっかりしていないまま、
飛び出してしまうと、続きません。


情熱が続かなければ、継続は難しい。



最初の動機となる「思い」と、
現在の「思い」がぶれていたら

信念がないとなかなか続けられません。



フリーランスになるということは、
裸一貫である以上、戦いの連続です。




そして起業すること、
株式会社、合同会社などの形態など


一般の医療職では決して勉強しない

一通りのビジネスに関する勉強に
しっかりと飛び込み、自らどんどん学んでいく。



一人でやろうとせず、
異業種の仲間をどんどん作っていく。



この姿勢が大切である、
続けられるためのポイントだと思います。






「やりたいこと」と、「やりたくないこと」
の二元論ではなく、



「やりたいこと」と、「そうではないこと」
くらいの意識で



はっきり線引きしない、曖昧さの方が

しんどくならずに丁度良い塩梅なのかもしれません。




やりたい仕事じゃなければ仕事じゃない、
そんな価値観に縛られることなく、


ほどよいバランスで
自分からやりたいことに繋がる
きっかけを掴んでいく。


一度ついた火が燃え続けられるように、
ベースとなる思いの土台をしっかり築いておく。



これらが長期的に、
自分のやりたい仕事に向き合い、継続できる秘訣ではないかと思います。




皆さんはいかがですか?


どちらか一つで考えない。

見方は狭めなくっていい。


そこが大切であると感じています。