フリーランス言語聴覚士はしっ子の、こだわらない話

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必要なのは寄り添う力

【第80回】

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必要なのは寄り添う力

いつもこのブログをお読みいただきありがとうございます。




皆さんは、どんな人に魅力を感じますか?




多くの場合、
自分のもっていないものを持っている人に

魅力を感じる傾向にあるようです。




では、質問を変えて、



どんな人に安心感を感じますか?





「魅力」を感じるというのは、

一種の憧れであったり、
自分の好みであったりもしますが、





「安心感」については、

万人に共通する共通点があります。





あなたがもし、
ある日突然大病に見舞われて、


心の平静を失ってしまったとしたら、



何を求めるでしょうか?

何に「安心感」を感じるでしょうか?





それは、やはり

誰かに「寄り添ってもらえること」ではないでしょうか。




パートナーや、ナースや、
自分に関わってくれる存在が、



一方的な励ましや慰めではなく、


怒りや悲しみ、絶望に
ただただ寄り添ってくれたとしたら、



そこには確かな安心感、
安らぎがあるのではないでしょうか。





かのフローレンス・ナイチンゲール

「看護覚え書き」の中で、

「看護とは寄り添う力が必要」


と、


その医療従事者としての道標を
示してくれています。






以前、臨床業務の際に
こんなことがありました。



季節的な感染症の流行で、

通常業務とは異なる食事体制が
必要なことがありました。



ある方は、部屋で食事を食べる、

ある方は、個室で食べる、

ある方は、食堂で食べる、



通常とは異なる体制に

職員一人一人それぞれ慌ただしさは隠せず
動いていました。




そんな際に、
あるスタッフが大きな声で発した一言、

「もうわけわかんない!!」




その方にとっては素直な一言で
特に悪気はなく、



そして、「わけわかんない」と
思わず大声で言ってしまうほど、


通常業務ではないことは紛れもない事実でした。





ですが、



その一言は周りのスタッフが聞いていて
落ち着いて業務にあたれるものでしょうか?




スタッフから患者様へ

落ち着いて対応にあたれるように
配慮した言葉だったでしょうか?



ほんの些細な一言ですが、
周りの空気を一変させる程の威力があります。




自分の発する言葉を邪険にしない。



自分の口から発せられる言葉一つとっても、
周りに安心感をもたらすことはできます。




患者様に対しても、

一緒に働く同僚に対しても、

パートナーや家族に対しても、



相手を思った言葉選びや対応ができたら、
それは立派な「寄り添う力」です。






言葉の選び方、

その人がもつ漂わせる雰囲気、

手の温もりやまなざし、





わずかな時間でも、
ほんの少しの心遣いで、

相手の心に寄り添う努力はできます。




たとえそれが十分に相手に届かなかったとしても、

大切にされているという実感は
残るものです。




言語理解が乏しくなった認知症の方においては、

ノンバーバルコミュニ―ケーション
(言語に依存しないコミュニケーション)


へのリアクションが良い傾向にあります。




安心感を伝えようと、

伝えられる方法で寄り添う心がけ。




その寄り添おうとする心遣いは
確かに伝わります。ほんの少しでも。




そして、大切なことは
自分の心が満たされていないと、


真に寄り添うことは難しいものです。



無理をせず、
まずは自分の心や家族を満たすことを心がけ、


寄り添う心をもちながら日々暮らすことで十分です。



「寄り添う力」はその視点を持つことで
磨かれていく。



そのことをぜひ忘れないでいてください。




そして、何事にも動じず、
落ち着いている人はとても魅力的です。



私もこれからも修行の道として、
この心がけを歩んでいきたいと思います。